目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
    5. 合格得点
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

東京医科歯科大学は国公立大学医学部の中でもトップレベルに属しており、大学受験全体の中でも国内最難関レベルです。受験生のレベルもさることながら問題も全国最高レベルのものが出題されています。
文部科学省が実施しているスーパーグローバル大学事業のトップ型指定校に採択されるなど教育に力を入れています。歯学分野はQS世界大学ランキングによると日本トップで、世界でも6位にランクされています。

苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

東京医科歯科大学には一般入試の他に国際バカロレア入試による特別選抜や推薦入試、編入学試験など様々な入試制度がありますが、ここでは一般入試について説明します。

募集人数(一般入試)

医学部
 医学科 前期82人、後期10人
 保健衛生学科(看護学専攻) 前期35人
 保健衛生学科(検査技術学専攻) 前期27人

歯学部
 歯学科 前期33人、後期15人
 口腔保健学科(口腔保健衛生学専攻) 前期20人
 口腔保健学科(口腔保健工学専攻) 前期8人

2.1 試験日

前期日程
出願期間
平成30年1月22日(月) ~ 1月31日(水) 
第1段階選抜実施の発表
平成30年2月7日(水) 
個別学力検査実施日
平成30年2月25日(日)、26日(月)
合格発表日
平成30年3月9日(木)
入学手続き
平成30年3月9日(金) ~ 3月15日(木) 
追加合格者の決定及び連絡
平成30年3月28日(水)から 

後期日程
出願期間
平成30年1月22日(月) ~ 1月31日(水)
第1段階選抜実施の発表
平成30年2月28日(水) 
個別学力検査実施日
平成30年3月12日(月)、13日(火)
合格発表日
平成30年3月22日(火)
入学手続き
平成30年3月22日(月) ~ 3月27日(火) 
追加合格者の決定及び連絡
平成30年3月28日(水)から 

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲) 
物理:「物理基礎」、「物理」
化学:「化学基礎」、「化学」
生物:「生物基礎」、「生物」

(試験時間)
・理科 120分(2科目)

(解答形式)
全問記述式

2.3 配点

前期日程
医学部医学科 120/360
医学部保健衛生学科検査技術学専攻 120/360
歯学部歯学科 120/360

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

例年大問2題で構成されています。解答時間は理科2科目で120分です。難易度は入試応用レベルの問題がほとんどであり、思考力、計算力ともに高度なものが要求されます。また、各大問には設問が10問はあり、1つのミスがそれ以降の問題に与える影響も非常に大きいことから高い正確性も要求されます。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学

ほぼ毎年大問1題、第1問で出題されています。近年出題されたテーマは「ばねでつながった2物体の運動」、「万有引力を受ける物体の運動」、「可動台上にあるばねにつながった物体の運動」、「斜面上にあるばねにつながった物体の運動」、「滑車につながった物体の運動」などです。「台上にあるばねにつながった物体」が頻出テーマです。単振動について理解しているだけでなく、運動量保存や相対的な見方などしっかり理解しておきましょう。また、万有引力を受ける物体の運動に関しては、楕円や放物線などの数学的知識を使う設問が出題されているなど、高度な内容も含まれています。

例えば以下の参考書の力学の部分だけでも読んでおくと良いかもしれません。
「新・物理入門」(駿台文庫)
ただし、上記の参考書は数学的にも内容的にも受験物理の範囲を超えているので、書いてあることをすべて理解しようとするのではなく、大まかな流れを理解する程度にとどめておいた方がいいでしょう。

3.2 電磁気学

およそ、3年に2回の割合で出題されています。近年出題されたテーマは、「平行板コンデンサー」、「RLC直流回路」、「金属中の電子の運動」、「交流」などです。大きな特徴としては電気回路に関する出題が多く、抵抗やコンデンサーがn個あるような設定がなされているということです。これらの問題では回路の対称性を適切に使う必要があり、十分な演習をこなして慣れておく必要があるでしょう。

3.3 熱力学

およそ10年に1回程度の割合でしか出題されていません。近年出題されたのは2011年に大きさの違うピストンでつながれた2つの容器に封入されている気体分子の運動に関する問題と、2004年にばねにつながれたピストンで仕切られた気体に関する問題です。いずれも問題解くための深い知識や計算力が要求されています。

3.4 波動

およそ4年に1回程度の割合で出題されています。近年出題されたテーマは、「ドップラー効果」、「薄膜による光の干渉」、「プリズムによる光の屈折」などです。光の単元の出題ではオーソドックスで比較的易しい問題が出題されていますが、ドップラー効果の単元の出題では近似計算やグラフの作図など、かなり細かい部分にまで神経を使わなければならない問題が出題されています。

3.5 原子

2001年以降出題されたのは、2014年の光電効果とコンプトン散乱に関する問題のみです。難易度は標準的なものでした。もちろん、出題頻度が低いからと言って対策をしなくてよいわけではなく、東京医科歯科大学の入試問題全体のレベルを考えれば、応用的な問題を解けるようにしておいた方が良いでしょう。次章で紹介しますが、
 ・『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)

『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
のどちらかの原子分野はやっておくにこしたことはありません。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象を理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編』(東進ブックス)
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』(学研教育出版)
『宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)』(学研教育出版)
『秘伝の物理講義(力学・波動)』(学研プラス)
『秘伝の物理講義(電磁気・熱・原子)』(学研プラス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。基礎的な問題は解ける人にはこの段階は飛ばしても構いません。ただし、次段階以降で少しでも不確かであったり不安だったりする分野、単元、問題のタイプがあれば、必ずこの段階に戻って解消するようにして下さい。

この段階は、基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。問題演習には、
「物理のエッセンス」(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]入門問題精講』(旺文社)
などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(力学・電磁気)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(波動・熱・原子)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集High[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)

なども、どのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 標準問題でアウトプットの練習

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集』(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]基礎問題精講』(旺文社)

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
これらの問題集が一通りきちんととけるようになれば応用問題に取り組む基礎が身についたと考えられます。以下のような問題集に取り組んで、応用問題を解いてみましょう。

『名問の森 物理』(河合出版)
『実戦 物理重要問題集 – 物理基礎・物理』(数研出版)
『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)
『体系物理』(教学社)
『物理[物理基礎・物理]思考力問題精講』(旺文社)

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」、「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」です。

「時間を意識すること」ですが、東京医科歯科大学は理科2科目で120分、物理は大問2題なので、単純計算で1題あたり30分となります。思考力や計算力を必要とされる難易度の高い問題では30分は決して余裕のある時間ではありません。問題を解くときには常に時間を意識しましょう。

「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」に関して、特に見慣れない設定の問題の場合、問題文を解釈して自分が知っている解法に当てはめるということが問題になってきます。現象の理解、設問の意図の理解などが正しくできていたかのチェックは時間をかけて行いましょう。解答や解説に書いてあることを理解するだけでなく、問題文を読んだ時に設問の意図をどのように理解するのか、自分はどのように考えるべきだったのかをしっかりと吟味して下さい。特に東京医科歯科大学では、大問1題あたりの設問が多いので、一つの設問のミスが大きく影響を及ぼします。
 
これらのことを意識しながらなるべく多くの年度の過去問を演習するようにしましょう。長年、大問2題という出題形式は変わっておらず、難易度の大きな変動もありません。東京医科歯科大学の対策として過去問でしか出来ない部分も多いので、出来るだけ多くの年度の問題を解きましょう。手に入る過去問を全て演習し終えて時間があるようであれば、他大学の過去問にも挑戦してみましょう。例えば、東京大学や京都大学、大阪大学、慶應義塾大学医学部・理工学部、早稲田大学基幹理工学部・先進理工学部・創造理工学部、東京工業大学などです。なるべく一つの大学に偏らず、これらの大学の問題を万遍なく演習するのが良いでしょう。

(参考)
TOP UNIVERSITIES|QS World University Rankings by Subject 2016 – Dentistry
東京医科歯科大学|入学案内|学部入学案内|入試制度|一般入試|平成30年度一般入試学生募集要項