目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

大阪医科大学は、大阪府高槻市にある私立大学である。一般入試の他に研究医枠入試というものがあるのが特徴で、良質の臨床医の養成を支える基礎医学系及び社会医学系教室の人材育成を目的として実施されている。受験資格、合格した際の入学確約、誓約書の提出や卒業後の研究活動継続など、諸条件がありますが、研究委枠入試で入学した人は6年間の正規学費がおよそ半額となる。
毎年、国立大学医学部との併願者が多く、補欠合格が多い状況となっている。以前は再受験者に対しては厳しい姿勢であったが、近年では寛容な姿勢をみせている。前期一般入試に関しては、他大学と異なり、一次試験(筆記のことを指す)の段階で二次試験を受ける人数を200人程度に絞るが、一部を除いてそのほとんどが合格することになる。さらに不合格者の中から、繰り上がり合格者の候補生を発表し、別の試験日に一次試験合格者と同じ形式の試験を行い、繰り上がり合格者をその中から選抜する。

「分からないところが分からない」状態からの大逆転! 筑波大医学部合格をつかんだパーソナルトレーナーとの1年間
人気記事

2. 概要

2.1 試験日

一般入試前期日程・研究医枠入学試験
1次試験:2019年2月11日(月・祝)
2次試験:2019年2月20日(水)

一般入試後期日程
1次試験:2019年3月10日(日)
2次試験:2019年3月19日(火)

2.2 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式

(試験科目・試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数学Aは「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」を、 数学Bは「数列」「ベクトル」を範囲とする。)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。

(試験時間)
※一般入試前期日程・一般入試後期日程・研究医枠入学試験共通

1次試験
9:30〜11:10 数学(100分)
12:30〜14:30 理科(120分)※2科目選択
15:30〜16:50 英語(80分)

2次試験
※1次試験合格者のみ、小論文・面接試験を実施

2.3 配点

※一般入試前期日程・一般入試後期日程・研究医枠入学試験共通

1次試験
・数学(100点)
・理科(200点)
・英語(100点)

2次試験
不明

(解答形式)
記述・論述式

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

理科は2科目で120分、200点の配点となっている。大問は4題構成で、各大問は5~7問の小問から構成されており、記述がメインの出題形式となっている。傾向としては、空欄補充問題、計算問題、論述問題、描図問題がまんべんなく出題されている。計算問題は、途中計算を要求されることは少なく、解答のみを解答欄に書き込むだけとなっている。論述問題は字数制限がないことが多いので、解答欄に収まるようにポイントをしっかり絞って書く練習をしておこう。

年度によって問題数にばらつきがあるが、体内環境や動物の反応の分野からは毎年出題されている。全体的に考察問題と知識問題の両方が問われるが、高校生物を逸脱した知識を求める問題はごく稀である。また、考察問題のリード文はそれほど長くはなく、実験系やその結果も、どの問題集にも掲載のある典型的なものである。

教科書本文の内容だけでなく、コラムなどの細かいところまで出題されているので、基礎事項の徹底した習得が必要である。教科書では図や表、脚注もスルーすることなく勉強しておくこと。また、教科書に加えて図説などをしっかり読んでおくことも有効である。医学と関連が深い、遺伝情報の発現、代謝、体内環境、動物の反応は念入りに学習しておこう。全体としての難易度は『生物 基礎問題精講』に近く、基本問題の失点はできない。数問含まれる難度の高い問題でどの程度得点できるかが、高得点へのカギといえるだろう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子

他の分野のベースとなる単元であり、各大問で小問として問われることが多い分野ではあるが、細胞間結合について大問単位で出題されたこともある。教科書の太字語句程度のものは必ずその定義を簡潔に説明できるようにした上で、問題集や過去問の演習に取り組むようにしよう。問題文中で意味の説明できない語句を見かけたら、答え合わせの後に必ず教科書や資料集、参考書を使ってインプットし直すこと。

3.2 代謝

呼吸と発酵につい注力しがちな単元であるが、アミノ酸の代謝が出題されたこともあり、やはり教科書全範囲をまんべんなく学習しておく必要がある。炭水化物、脂質、タンパク質が、消化され吸収される際にはどのような酵素や輸送体がはたらくのかはもちろん、吸収されてから排出されるまでにどのような代謝経路を経るのかといったところまで、しっかりとおさえておきたい。また、植物における代謝が出題されている年度もあるため、光合成や窒素同化についても忘れずに勉強しておこう。

3.3 遺伝情報の発現

大阪医科大学の生物で頻出の、発生やバイオテクノロジーといった分野の基礎となる単元であり、この単元の習得なしに高得点はあり得ない。『生物の良問問題集』の確認問題・必須問題であれば解法に迷うことなく解けるようになっておこう。教科書のコラムや発展、資料集の該当ページにも目を通し、この分野の主要な実験については、研究者の名前といった科学史的な内容はもちろん、実験操作の意義や、結果から考えられたことをノートに書き出してみるといった勉強も有効だ。

3.4 生殖と発生

現行課程になり、一般的に遺伝の出題は減少傾向にある。また、出題があったとしてもリード文に必要十分な解説があるため、問題文をよく読んで得点にしよう。後述の、動物の反応と行動や体内環境の維持といった単元に比べれば、出題の難易度は平易である。問題文に記された遺伝子のはたらきを整理し、最終的にはどのような問題であろうと配偶子の組み合わせを表の形で整理して解答するという一連の流れを、『生物 基礎問題精講』などの問題集でしっかり練習しておこう。

3.5 遺伝

消化器系や循環器系、受容器、神経系、効果器の深い理解が求められる。遺伝情報の発現の単元同様、この単元の習得なしに高得点はあり得ない。心臓や眼球、耳、神経細胞、筋肉といった構造の模式図を何も見ずに描けるかどうか、一度試してみてほしい。描けないようであれば必ず描けるようにしておこう。また、酸素解離曲線や、視細胞の分布、明順応・暗順応に関するグラフも、体内構造の模式図と同様、何も見ずに描けるようになっておくこと。最終的には『生物 標準問題精講』などの問題集に取り組んで、インプットした模式図やグラフを使いこなせるかどうか確認しよう。

3.6 動物の反応と行動

出題の頻度は他の単元に比べて圧倒的に少ない。しかし、教科書の太字の用語については、簡潔に文章で説明できるようになっておく。植物の環境応答のように出題の少ない単元は、実際に出題があればチャンスであると捉えられるくらいになろう。この単元に限った話ではないが、大阪医科大学の生物では記述式の答案を求められるため、用語の意味について口頭で何となくそれっぽいことが言えるだけでは不十分である。いざ試験で問われた際に、主述関係が不明瞭な文章を書いてしまうなど、稚拙な表現にならないよう心がけてほしい。

3.7 植物の環境応答

個体群の分野がよく出題されている。教科書を隅から隅まで読み通し、基礎知識をしっかり叩き込んでおこう。なお、植生の出題においては「土壌のでき方」を問われたこともある。素朴な設問であるが、土壌という言葉を遷移の一連の流れの中で理解していなければ、簡潔に答えることは難しい。教科書の太字語句のみを追いかけて意味をノートに羅列するのではなく、必ず教科書本文に書かれた遷移のストーリーを理解してから、基礎知識の習得にとりかかるようにしよう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認

大阪医科大学の場合、まずは教科書に記載された単元の大まかな流れをおさえた上で、教科書の太字語句の定義を正しい日本語で書けるかという視点で習得に励むようにしよう。また、図やグラフの読み取り問題が例年出題されているので、重要な実験をノートにまとめたり、グラフを描き写して何が読み取れるかを整理したりなどしておく。時間がある受験生は資料集などを用いて、教科書以外の用語をインプットしておくことが望ましい。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎(数研出版)』
・『大森徹の最強講義(文英堂)』
・『大学入試の得点源(要点) (文英堂)』
・『生物 知識の焦点(Z会)』
・『理解しやすい生物、生物基礎(文英堂)』
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに(東進ブックス)』
・『生物基礎が面白いほどわかる本(中経出版)』

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも、参考書や教科書を使って生物現象や用語の習得に努める。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。問題集を解き始めても、いきなり「章末総合問題」や「発展問題」と名のつくページの問題に取り掛かるのではなく、「例題」や「基礎問題」といったページの問題を反復練習するようにしよう。

問題集
・『リードlight生物 生物基礎』
・『生物 基礎問題精講(旺文社)』
・『らくらくマスター 生物・生物基礎(河合出版)』
・『生物用語の完全制覇(河合出版)』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み

教科書をよく読んで内容を頭に入れたところで、急に考察問題ができるようにはならない。大阪医科大学の生物は、考察問題がよく出題されるため、まずは標準的な問題を攻略することに注力してほしい。勉強の仕方としては、難しい考察問題を闇雲に解くのではなく、標準的な問題に数多く取り組み、丁寧に答え合わせをし、復習としてその問題で扱われた実験の方法・結果・考察をその都度確認するようにしよう。教科書に掲載されている実験は数が限られている。『生物 標準問題精講』などの問題集を参考書のように使い、まずは自分なりの答案を作ってみた上で、そもそも生物にはどのような実験があるか、その方法はどのようなもので、どのような結果が得られ、どのような考察が導けるかといったところまで解答解説から読み取るようにする。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集 (旺文社)』
・『生物[生物基礎・生物]基礎問題精講 (旺文社)』

※動物の反応と行動・体内環境の維持については
・『実戦 生物 重要問題集 ―生物基礎・生物―(数研出版)』
・『生物[生物基礎・生物]標準問題精講(旺文社)』
などのハイレベルな問題集にチャレンジしてみてほしい。これらの問題集は国立大学の問題を多く掲載しているが、大阪医科大学の過去問で、難易度の高い実験考察問題にあたる前に取り組む問題集としては、適切な問題集であるといえよう。

■Step.3 計算問題への取り組み

大阪医科大学は毎年計算問題が数問出題されている。Step1やStep2で取り組んだ問題集に掲載されている計算問題を、確実にこなせるようにしておこう。計算問題のある問題・ページだけを追加で1周2周するなどして、素早く解く練習をするとよい。大阪医科大学の生物の計算問題は決して難易度は高くなく、他の受験者の多くが正解するであろうから、ここで失点するわけにはいかない。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習

Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。過去問はできるだけ正答率7割を目指し、普段から少ない時間の中で演習をして負荷をかけていくのがよい。

普段から学習したことをもとに、身近な事例と関連づけて生物現象を考える習慣を付けるようにしよう。このようなことの積み重ねが深い理解力、洞察力を養ってくれるだろう。

(参考)
大阪医科大学|受験生サイト|医学部医学科・入試情報|入学試験要項について|平成31年度 医学部医学科 入学試験要項