目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 単語と文法の基礎を固める
    2. 長文問題に取り組む
    3. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

慶應義塾大学商学部は同大経済学部商業学科が独立してできた学部です。経済学部と並び、慶應義塾大学の代表的な学部の一つです。1, 2年は「総合教育科目」という専門分野とは異なる学問も学び、総合的な知識、教養を身につけることができます。3, 4年からは専門科目として、花形のマーケティングを始め、会計学、経営学、金融論、労働経済学といった経済学や商学に根ざした実学を学ぶことができます。就職先も金融、IT、官公庁といった各業界のトップクラスの企業が多くを占めているだけでなく、公認会計士や公務員などといった難関試験を目指す人も多くいます。

入試に関して、英語が配点全体の半分を占める(200/400)ため、少なくとも英語が得意でないと合格は難しいと言えます。逆に、英語が得意であれば、多少他科目の失点はカバーできるともいえます。さらに、数学選択のA方式と論文テスト選択のB方式では、募集人数に4倍の違いがあります(A方式が480名、B方式が120名)。合格最低点もA方式のほうが低いため、B方式は熾烈な争いとなっています。
慶應義塾大学の中で、唯一受験科目として地理を選択することができる点も特徴の一つであるため、東大・一橋大志望者も多く受験します。

次章以降では、英語の入試問題の詳細な分析を行い、合格に必要とされる勉強法を詳しくご紹介します。

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2. 概要

2.1 試験日

2月14日
10:00-11:30 外国語
12:55-13:55 地理歴史(A方式・B方式)
14:50-16:00 数学(A方式)、論文テスト(B方式)

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

・外国語
英語(コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II)

(試験時間)
90分

(解答形式)
マークシート式・記述式併用

2.3 配点

外国語:200/400
地理歴史:100/400
数学or論文テスト:100/400

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

慶應義塾大学商学部の英語問題は、大問7~8題で構成されていることが多く、合計で3題の長文が出題されるなど、90分という時間があるとは言えかなり分量の多い試験です。2017年の出題は、大問1~3に長文読解問題、大問4に長文の空所補充問題、大問5に文法の4択問題、大問6~7に動詞の語形変化(記述)問題でした。大問1~3の長文問題という傾向は安定していますが、それ以降は年度によって大問が前後する場合があります。また、2017年は要旨を選択する問題が省かれ、大問7題の構成となりました。

長文のジャンルは、経済学部ほど固まっているわけではなく、様々な分野から出題されます。また、慶應義塾大学の中では比較的珍しく、文法の4択問題が出題されるのも特徴の一つです。ただし、普通の文法問題集の中でも応用レベルの問題が出題されるため、そのレベルに対応できるようにしておく必要があります。

空所補充問題では、語形を適切な形に変化させる記述式の問題が出題されます。正確なスペリングの知識が要求されるので、単語を覚える際には単語の意味を答えるだけではなく、正確に書けるようにしておきましょう。

以上から、豊富な知識量とともにスピードが要求される難関試験であることがご理解いただけたと思います。合格の準備として、次章以降で解説する出題傾向と学習法を参考にしてください。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 長文空所補充問題

本学部では、語形を変化させる長文空所補充問題が出題されるため、通常の選択式の問題に比べると難易度が上がります。単語を覚える際には必ず派生語を一緒に覚えましょう。特に、knowの名詞形がknowledgeになるなど、スペリングが不規則に変化する単語は要注意です。また、選択式の問題も油断はできません。日本語で考えると複数の正解があるのではないかと思われるような紛らわしい問題もあります。語と語のつながり(コロケーション)を意識して音読や単語の暗記をすることが重要です。

本学部の長文空所補充問題を解く際には、空所の前後だけ読んで解答する解き方はやめましょう。前の段落から考えて、空所にプラスの意味、あるいはマイナスの意味の言葉が入るなどといった推測をしなければならないことも少なくありません。

3.2 内容一致問題

内容一致問題は長文の内容理解度が直結します。選択肢の中には紛らわしいものが含まれているため、簡単に正解を選ぶことはできない問題が多くあります。本文の言い換えになっている選択肢なのか、あるいは逸脱してしまっているのかという判断力を身につけなければなりません。

下線部に関連した問題では、下線部と同じ段落に答えの根拠が書かれているとは限りませんし、問題の番号順に答えの根拠が書かれているとも限りません。例えば問1の答えの根拠は本文の後半に書かれている可能性もありますし、最後の設問の根拠は第1段落に書かれている可能性もあります。そのため、答えを探すのにも時間を要します。文中の単語や熟語の知識が問われる問題も多く、文中から推測するよりも知識として知っていた方が速く正確に解けることが多いでしょう。

3.3 英文法空所補充問題

本学部の問題では、いわゆる文法の4択問題が出題されます。センター試験や各私立大学の入試ではおなじみの形式ですが、もちろん大半の大学の問題よりは難易度が高く、選択肢も形がよく似たダミーが入っているため、表面的な文法知識では誤答を選んでしまいかねません。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 単語と文法の基礎を固める

本学部の問題は非常に分量が多いため、単語の知識が不足して長文の読解に時間がかかってしまうような事態は避けなければなりません。そのためにも、基本単語の定着は不可欠だと言えます。難関大学になればなるほど難しい単語に意識が向いてしまいがちですが、そのような単語の知識を使って解く問題は実際には限られています。もちろん知っておくに越したことはありませんが、その前に基本をしっかりと固めましょう。前述した通り、本学部では記述式の問題も出題されるため、正確なスペリングまで覚えておいてください。

『システム英単語』

・『ターゲット1900』
『ターゲット1900』

上記の単語帳が定着したら、下記の上級レベルの単語帳に挑戦してみましょう。

・『キクタン リーディングAdvanced6000』
『キクタン リーディングAdvanced6000』

・『単語王2202』
『単語王2202』

・『速読英単語2 上級編』
『速読英単語2 上級編』

スペリングやコロケーションの強化には、以下の単語帳もおすすめです。多くの単語帳は日本語訳を赤シートで隠して覚える形式になっているため、綴りが正確に書けないという人がいます。しかし、本学部の試験では記述問題があり、正確に書けることが求められます。本書は難易度に応じて金、銀、銅メダルコースに分かれているので、一番上のレベルを目指して頑張りましょう。

・『銅メダルコース 英単語ピーナツほどおいしいものはない』
『銅メダルコース 英単語ピーナツほどおいしいものはない』

また、長文や文法問題などで英熟語の知識も必要とされるので、熟語帳にも取り組んでいただきたいと思います。代表的なものは、以下の通りです。

・『速読英熟語』
『速読英熟語』

・『解体英熟語 改訂第2版』(Z会出版)

次に文法対策を行いましょう。本学部の入試問題では典型的な文法の4択問題が出題されるので、文法対策は怠らずにしましょう。難問とは言えども、基本的な文法知識がベースになっていることは言うまでもありません。そこで、下記のような一般的な文法問題集は解けるだけの文法力を身につけておきましょう。

・『アップグレード 英文法・語法問題』
『アップグレード 英文法・語法問題』

・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』

また、さらに難易度の高い文法問題にもチャレンジしましょう。本学部の文法問題は、センターレベルの文法問題集では対応できないレベルの問題も出題されます。文法セクションで高得点を取るためには、以下の文法問題集を完璧になるまで繰り返すことが必要となります。

・『全解説頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
・『大学入試英語頻出問題総演習』(桐原書店)

さらに、様々な形式の問題がランダムに掲載されている問題集で、仕上げましょう。実践の試験形式と同様、ランダム形式でも点数が取れれば、身に着いたと言えます。

・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)』(桐原書店)
・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)』(桐原書店)

英文法問題集を解いていて、解説を読んでも理解が不十分だと感じたら、参考書を読んでみることをおすすめします。代表的なものを挙げますが、学校で使用しているものがあればそれでも十分です。

・『総合英語Forest』
『総合英語Forest』

さらに、構文についても取り組んでみましょう。すぐに高得点に直結するわけではありませんが、最終的に数点の差となって表れてくる可能性が大いにあります。入試直前期になって始めるわけにもいかないので、基礎固めの時期にやっておくことをおすすめします。

・『英語の構文150』
『英語の構文150』

・『解体英語構文 改訂版』(Z会)

4.2 長文問題に取り組む

本学部は圧倒的に長文問題の占める割合が多く、大問3つに及びます。そのため、いかにここを速く正確に解くことができるかが合否を分けると言っても過言ではありません。

長文問題は一朝一夕に伸ばすことはできないので、まずは自分のレベルに合ったところから徐々にレベルアップを図っていきましょう。また、本学部の問題は必ずしも経済や社会といった文系の長文が出るとは限らないため、幅広い問題に挑戦していただきたいと思います。そのような意味でも、まずはレベル別に分かれた長文問題に取り組むことをおすすめします。

・『やっておきたい英語長文』
『やっておきたい英語長文』

・『レベル別長文問題集』
『レベル別長文問題集』

下記の問題集はリスニングCDがついています。リスニング学習は速読力をつけることにもつながるので、本学部のような大量に長文が出題される大学を受験する場合は、リスニング学習もやっておきたいものです。

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング (レベル3)』(桐原書店)
・『大学入試 全レベル問題集 英語長文 6国公立大レベル』(旺文社)

最後の仕上げに難関レベルの長文問題集にも挑戦してみましょう。本学部の場合、特に内容一致問題の配点が高いので、そちらの対策を念入りに行いましょう。
・『TopGrade 難関大突破 英語長文問題精選』(学習研究社)
・『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)

4.3 過去問・模擬試験を用いた練習

ここまで一通り終わったら、過去問や模擬問題を用いて演習を行いましょう。本学部の問題は主に、文法、長文の空所補充、長文の内容一致という3本柱で成り立っています。そのため、文法や長文の問題集を解いて過去問にチャレンジし、不足していると思われる分野を中心に再度問題集に取り組むと言った学習を続けて徐々に過去問で合格点が取れるようにしていくと良いでしょう。

問題集や過去問は最低でも3回くらいは繰り返し、完璧に答えの根拠や考え方まで完璧にインプットしてください。次々と新しいものに手を伸ばすとなかなか定着せず、一定レベルで伸び悩んでしまいます。過去問を10年分以上終えてしまった人は、早稲田大学の過去問も類似したレベルの問題が豊富にあるので、そちらに取り組むのも良いでしょう。その他、慶應義塾大学の様々な過去問から分野別に分類された問題集もあるので、参考にしてみてください。

・『慶應の英語[第6版]』(教学社)

(参考)
インターネット出願ガイダンス|2018年度 一般入学試験要項|一般入学試験 入学試験要項(抜粋版)
慶應義塾大学商学部|進路