目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 単語と文法の基礎を固める
    2. 長文問題に取り組む
    3. 会話文問題に取り組む
    4. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

慶應義塾大学環境情報学部および総合政策学部は湘南藤沢キャンパスにあり、三田や日吉・矢上・信濃町・芝共立に校舎がある他の学部とは場所が離れています。湘南藤沢キャンパスはその頭文字を取ってSFCという名で親しまれており、環境情報学部および総合政策学部の2学部を指します(湘南藤沢キャンパスにはもう一つ看護医療学部があり、そちらを合わせてSFCと呼称する場合もあります)。

入学試験は、「外国語と小論文」「数学または情報(数学と情報のどちらかを選択)と小論文」「英語および数学と小論文」という珍しいタイプであることが特徴の一つです。他にも英語が長文問題のみで構成されていたり、小論文が資料の読み取りや独自の発想を表現するような独特の形式になっているなど、慶應義塾大学の他学部の問題とは一線を画しています。そのため、特別な対策をせず、慶應義塾大学の他学部を受験するついでにSFCを併願するという気持ちでは合格は難しいでしょう。長文は、国内の大学入試の中でも最も難易度が高いものの一つと言え、高度な読解力および速読力を必要とします。

卒業後の進路は非常に幅広く、他学部同様に外資を含む業界大手企業への内定を勝ち取る方も多くいますが、スタートアップやベンチャー企業に就職するケースも少なくありません。国内外の様々な業種に就職実績がある一方、大学院に進学する人や起業する人も多くおり、大学生活を通じて自分が興味を持った方面に、多様に進んでいきます。

次章からは慶應義塾大学環境情報学部および総合政策学部の合格に必要とされる英語の勉強法や傾向と対策について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
人気記事

2. 概要

2.1 試験日

2月17日(総合政策学部)、2月18日(環境情報学部)
10:00-12:00 「数学または情報」あるいは「外国語」、あるいは「数学および外国語」
13:20-15:20 小論文

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲)
・外国語
(a) (コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II)
(b) (コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II・ドイツ語)
(c) (コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II・フランス語)
(a), (b), (c)のうち、いずれか1つを選択する。

(試験時間)
120分

(解答形式)
全問マークシート式

2.3 配点

「数学または情報」あるいは「外国語」、あるいは「数学および外国語」:200/400点
小論文:200/400点

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

慶應義塾大学総合政策学部、環境情報学部の入試問題は、以前は1200語程度の長文問題2題で構成されていましたが、2016年から大問2が英語、ドイツ語、フランス語の選択となったため、長文3題の構成に変更されました。しかしながら、大問1と大問2の文章が600語程度と短くなったため、特に大きく問題量が増えたというわけではありません。

問題形式は以前から変わらず、長文の空所補充問題と内容一致問題のみで、非常にシンプルな形式です。しかしながら、長文の中には難易度の高い単語が含まれており、そう簡単に読めるようなレベルではありません。英字新聞や雑誌の抜粋であることが多いため、日常的にこれらを読む習慣をつけ、抵抗なく読めるようにしておかなければなりません。特に、単語に関しては一般的な大学入試用の単語帳で補えるレベルを超えており、本試験を受験するに当たっては単語力のアップ、およびハイレベルな長文読解を避けて通ることはできません。

空所補充問題では、一般的な大学入試で問われる熟語の一部を補う、あるいは文法的な知識を用いて適切な語形を選択するという類の単純な問題は出題されず、文脈に合う単語を選ぶ問題や、類義語を選ぶ問題がほとんどです。このような問題で正答を選ぶためには、理屈だけでなく、このレベルの長文を大量に読み慣れておき、感覚的に正答を選べるようにしておくことも重要です。

選択問題は、長文の内容を理解できていなければ解答が困難な上、選択肢の中にも紛らわしいものもあり、容易に正解を選ぶことはできません。長文問題などを通じて、誤りの選択肢を見抜けるようにしておきましょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 長文空所補充問題

長文空所補充問題を解くためには、まず前後の文脈が理解できていなければなりません。そのためには、難易度の高い長文の文脈を追えるようにすることが重要です。

単語に関して、長文の中には英検1級レベルの単語も散見されます。ここまで完璧に覚えなくても、準1級レベルの単語は覚えておかなければ文の意味を推測することもままならない場合もあるでしょう。単語を覚える際には、類語を覚えること、ニュアンスの違いをチェックすることも忘れないようにしてください。空所補充の選択肢の中には意味のよく似た単語が含まれている場合があります。

日頃、英字新聞や雑誌を読みながら、知らない単語にはチェックをつけていくという地道な作業を通じて徐々に単語力をつけていきましょう。その際に、知らない単語だけでなく、その前後(動詞と目的語のセットなど)も一緒にまとめておくと、空所補充問題を解くときにニュアンスで正答を選べるようになってきます。

3.2 内容一致問題

長文の内容一致問題は、設問に合う選択肢を4択の中から選ぶ形式です。また、段落箇所が指定されている問題もあり、長い長文の中から答えの根拠を探さなければならないという手間はそれほどかかりません。しかし、前述した通り、長文そのものの難易度が高いため、長文の意味をつかめていなければ当然答えることはできません。また、何となくわかっていた程度だと、巧妙なダミーの選択肢に誘導されてしまいます。このようなダミーの選択肢は、後ろまでよく読まないと選んでしまいがちな選択肢であったり、一般的な常識から考えて誘導されてしまうものであったりします。十分な長文演習を通じて、このような選択肢に引っかからない実力をつけなければなりません。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 単語と文法の基礎を固める

本学部の長文で扱われる単語は難易度が高いため、まずは基本的な単語は漏れなく身につけておかなければなりません。英作文は出題されないため、日本語から英語を答えられるようにする優先順位はそれほど高くありませんが、より単語が定着するので、もちろんやった方が良いでしょう。単に単語の意味がわかるというだけではなく、類語や派生語も覚え、特に類語は全く意味が同じなのか、微妙に意味が異なるのか、ニュアンスの違いは何かということまで押さえておく必要があります。

『システム英単語』

・『ターゲット1900』
『ターゲット1900』

上記の単語帳が定着したら、下記の上級レベルの単語帳に挑戦してみましょう。

・『キクタン リーディングAdvanced6000』
『キクタン リーディングAdvanced6000』

・『単語王2202』
『単語王2202』

・『速読英単語2 上級編』
『速読英単語2 上級編』

上記の他に、英検準1級、さらには1級対策用の単語帳まで手掛けることができれば、万全と言えるでしょう。

また、長文や文法問題などで英熟語の知識も必要とされるので、熟語帳にも取り組んでいただきたいと思います。代表的なものは、以下の通りです。

・『速読英熟語』
『速読英熟語』

・『解体英熟語 改訂第2版』(Z会出版)

次に文法対策を行いましょう。本学部の入試問題では典型的な文法の4択問題が出題されるわけではありませんが、文法対策は怠らずにしておきましょう。

・『アップグレード 英文法・語法問題』
『アップグレード 英文法・語法問題』

・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』

また、さらに難易度の高い文法問題にもチャレンジしましょう。本学部では文法の4択問題は出題されませんが、間接的に空所補充問題や長文読解でセンターレベル以上の文法力が必要となります。

・『全解説頻出英文法・語法問題1000』(桐原書店)
・『大学入試英語頻出問題総演習』(桐原書店)

また、文法問題が問題形式別に分かれている問題集にも取り組んでみましょう。というのも、上記の問題集は4択問題が中心として構成されていますが、本学部の場合、それが出題されないためです。また、4択問題はできても、整序問題などは解けないという人は意外と多いものです。

一方で、誤文訂正や整序問題(1問出るかどうかではありますが)は直接的に出題されませんが、4択問題で鍛えることのできる注意力を養うと同時に、勘違い・誤答しやすい理解の誤りを正すことができるので、必ず取り組んでください。

・『スーパー講義英文法・語法正誤問題』(河合出版)
・『大学入試 早稲田・慶應・上智 直前講習 英文法・語法 正誤問題』(旺文社)
・『英語整序問題精選600』(河合出版)
・『頻出英語整序問題850』(桐原書店)

さらに、様々な形式の問題がランダムに掲載されている問題集で、仕上げましょう。このようなランダム形式で正解できれば、文法力がついたと言えます。

・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)』(桐原書店)
・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)』(桐原書店)

英文法問題集を解いていて、解説を読んでも理解が不十分だと感じたら、参考書を読んでみることをおすすめします。代表的なものを挙げますが、学校で使用しているもの(beやEvergreen, Zestarなど)があればそれでも十分です。

・『総合英語Forest』
『総合英語Forest』

さらに、構文についても取り組んでみましょう。すぐに高得点に直結するわけではありませんが、最終的に数点の差となって表れてくる可能性が大いにあります。特に本学部では難易度の高い英文が出題されるため、正確な読解をする上で構文知識は欠かせません。入試直前期になって始めるわけにもいかないので、基礎固めの時期にやっておくことをおすすめします。

・『英語の構文150』
『英語の構文150』

・『解体英語構文 改訂版』(Z会)

4.2 長文問題に取り組む

本学部の長文問題は近年3題出題されます。前半の2題は600語程度の長さですが、最後の1つは1000語を超える、超長文です。いずれにしても2000語以上の難解な英文を読まなければならないため、日常的に英字新聞や、雑誌を読むようにしておき、長文を読むことに抵抗を無くしておくことが大切です。主要な駅の売店やコンビニエンスストアなどでも英字新聞は販売されていますし、インターネット上でも読むことができるものもあるので、積極的に読むようにしてください。まだ日刊の英字新聞を読むレベルに英語力が達していない人は、週刊の英字新聞の方が読みやすいと思います。また、長文問題集を解くことも日課としましょう。長文問題集は、レベル別に分かれているものから取り組んで、自分の実力に合ったものを取り組みましょう。

・『やっておきたい英語長文』
『やっておきたい英語長文』

・『レベル別長文問題集』
『レベル別長文問題集』

下記の問題集はリスニングCDがついており、長文問題集でありながらリスニング対策としても有効です。リスニング学習は速読力につながるので、本学部のような長文が多い大学を受験する場合には最適と言えるでしょう。

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング (レベル3)』(桐原書店)
・『大学入試 全レベル問題集 英語長文 6国公立大レベル』(旺文社)

最後の仕上げに難関レベルの長文問題集にも挑戦してみましょう。

・『TopGrade 難関大突破 英語長文問題精選』(学習研究社)
・『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)

さらに、環境情報学部を受験する場合は、メインとなる理系ジャンルの長文問題にも挑戦しておきましょう。

・『完全理系専用 英語長文スペクトル』(技術評論社)

その他、英検準1級、1級の長文問題集を解くことをおすすめします。レベルが安定しているため、ちょうどよい練習になります。過去問を買っても良いですが、本試験に直結する長文問題だけ欲しいという人は、以下の本をおすすめします。

・『英検準1級 長文読解問題120 』(旺文社)
・『英検1級 長文読解問題120 』(旺文社)

最後の仕上げに、SFCの完全予想問題集を解いてみましょう。

・『慶應SFCの英語完全予想問題』(テイエス企画)

4.3 過去問・模擬試験を用いた練習

ここまで一通り終わったら、過去問や模擬問題を用いて演習を行いましょう。過去問は解きっぱなしにするのではなく、自分の知らない単語や間違えた問題をチェックしてノートにまとめるなどして覚えることが大切です。この作業を怠ると、なかなか得点率が伸びてきません。もちろん、このことは普段の長文読解の演習やリーディング学習にも当てはまることです。さらに、問題傾向は違うものの、慶應義塾大学の他の学部の問題も長文の難易度が近いものが多いため、慶應義塾大学の過去問がまとまっている以下の問題集などを解いてみることをおすすめします。

・『慶應の英語[第6版]』(教学社)

(参考)
インターネット出願ガイダンス|2018年度 一般入学試験要項|一般入学試験 入学試験要項(抜粋版)