目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

藤田医科大学は愛知県豊明市にある私立大学で、同県内の愛知医科大学とほぼ同じくらいのレベルである。2018年10月10日をもって、大学名が藤田保健衛生大学から藤田医科大学に変わるなど、次世代の新しい医療・研究機関として、積極的な取り組みを見せています。

本学が高度な医学・医療の拠点であるとの認識を獲得しやすい名称を掲げることで、21世紀における藤田の高いブランド向上をめざす。

(引用:藤田医科大学|ニュース一覧|2018年10月10日 藤田医科大学に名称変更いたしました

本記事では、藤田医科大学医学部医学科の生物の一般入試(前期日程・後期日程)の難易度や出題内容分析についてご説明します。

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2. 概要

2.1 試験日

一般入試前期日程
1次試験:2019年1月29日(火)
2次試験:2019年2月7日(木)/2月8日(金)※いずれか希望する日

一般入試後期日程
1次試験:2019年3月3日(日)
2次試験:2019年3月14日(火)

2.2 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式

※一般入試前期日程・後期日程共通
(試験科目・試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・面接

(試験時間)
1次試験
・英語(90分)
・数学(100分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・面接

(解答形式)
記述・論述式

2.3 配点

1次試験
・英語(200点)
・数学(200点)
・理科(200点)

2次試験
・面接(提出書類と合わせて100点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

藤田医科大学の生物の入試問題は、大問3〜4題構成で、各大問は10題前後の小問からなる。解答形式は記述式。私立医学部の中には記述式の問題が出題されない大学も多いため、受験者は国公立大学の問題や記述式問題が課される私立医学部の過去問などを解いて練習しておこう。特に論述問題の場合は、自分の書いた答案を見直すときに、主述関係や“てにをは“がおかしくなっていないか、口語表現になっていないか、といったところにも注意を払うようにしよう。自分の答案を、唇だけを動かして読んでみるというのも、その一字一句を確認するうえで有効である。

設問の中には、教科書本文に書かれていることをそのまま抜き出せば答えになる典型的な知識問題もある。一方で、医学的な内容に限っては高校内容をやや逸脱した内容を出題されることもある。例えば、世界初の抗生物質(ペニシリン)とその発見者(アレキサンダー・フレミング)を選択肢から選ばせる問題や、牛海綿状脳症の病原体の名称(プリオン)を書かせる問題が出題されている。医学への広い関心をもつことはもちろん、近年でニュースになった病気について調べておくのもよいだろう。

また、高校内容を逸脱した内容を、リード文に書かれていることをヒントに考えさせる問題が出題されている。これは難関国公立大学の生物の入試問題でも見られるパターンであり、リード文を国語の評論文のような精度で、なおかつ素早く読む訓練が必要だ。例えば、「電子伝達系がはたらいていないときにATP合成酵素が逆回転している理由」など、普通は知らない。しかし、リード文には、「ミトコンドリアはATP生産以外にも重要な役割を果たしており、そのミトコンドリアへのタンパク質輸送が、ミトコンドリア内外のプロトン濃度勾配に関係している」ことが説明されている。分からない問題にあたったとき、落ち着いてリード文から伏線を読み取る力が必要であり、そのためには「自分が知らないということは知識問題ではない」と自信をもって言えるだけの基礎の定着が必須である。藤田医科大学の生物の問題では、決して、リード文を空欄や下線部のところしか読まないといったことをしないようにしよう。

このように、高校生物を逸脱した内容が問われることは織り込み済みとして、覚悟して過去問に臨んでほしい。そのような設問に対する対策として、以下の2つを必ずおさえておこう。① 知識を問われる設問の場合、医学に対する広い関心をもって、日頃から医療関係のニュースについて調べたりしておくこと。② 理由を問われる設問の場合、リード文にヒントが書いてあることが多い。国語の評論文を、その題材を読んだことのある状態で解く受験生などほぼいないだろう。「そんなの知らない」と放り出すのではなく、リード文にしっかりと目を通し、リード文に矛盾しない理由を導く力が問われていると意識して過去問に臨んでほしい。

なお、計算問題は圧倒的に少ない傾向にあり、小問の中に独立していくつか出題される程度である。とはいえ受験者のほとんどが正解してくるであろうから、対策は必須である。『生物 良問問題集』で計算問題だけピックアップして対策するなどしていれば、何も恐れることはなくなるだろう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子

藤田医科大学では頻出の問題である。代謝や遺伝子情報の分配、体内環境の恒常性や動物の反応といった様々な生命現象が題材とされるが、それらの生命現象が見られる際に細胞小器官でおこっていること、細胞小器官の生体膜上でおこっていること、といった具合にどんどん掘り下げる出題が見られるため、この単元への深い理解がなければ高得点は望めない。生命現象のしくみについては、常にこの細胞と分子のレベルから説明を求められうるため、各単元の学習のたびに輸送体タンパク質やシグナル伝達といった細かい内容を復習するようにしておこう。

3.2 代謝

呼吸や発酵、光合成に注力しがちな単元であるが、藤田医科大学では脂肪とタンパク質の分解についても出題があったため注意が必要である。脂肪やタンパク質が呼吸基質として分解される反応経路はもちろん、β酸化、脱アミノ反応といった用語を説明できるようになっておこう。

3.3 遺伝情報の発現

藤田医科大学で特に出題の多い単元である。スプライシングの過程や、遺伝子組換え実験は頻出である。最終的には、『生物 標準問題精講』や『生物 重要問題集』などで問題演習をするようにしたい。実験考察問題の多く収録されたこれらの問題集を参考書のように使い、この単元にどのような実験系があり、その実験系ではどのような結果が得られ、その結果からはどのようなことが考察できるのかということを確認しておくようにしよう。もちろん、教科書に記載のある重要な実験についても、同様の確認は必須である。

3.4 生殖と発生

出題頻度は高くないが、受精のしくみ、ホメオティック遺伝子による調節、カエルやウニの発生の過程など、教科書に記載のある基本事項は必ずおさえておこう。前述の細胞と分子の単元と関わりの深い単元であるので、出題された場合には他の大問と同等の難易度であることが予想される。精子におけるミトコンドリアによる代謝や先体反応、形態形成におけるmRNAやタンパク質の濃度勾配、予定運命の決定におけるBMPと受容体など、生殖と発生における様々な生命現象について、細胞と分子のレベルからしっかり理解しておくようにしたい。

3.5 遺伝

現行課程になり、一般的に遺伝の出題は減少傾向にある。また、出題があったとしてもリード文に必要十分な解説があるため、問題文をよく読んで得点にしよう。藤田医科大学の生物では、遺伝の出題頻度は圧倒的に少ない。問題文に記された遺伝子のはたらきを整理し、最終的にはどのような問題であろうと配偶子の組み合わせを表の形で整理して解答するという一連の流れを、教科書傍用の問題集で一通り練習しておくようにしよう。

3.6 動物の反応と行動

藤田医科大学の生物の問題では、遺伝情報の発現と並んで出題頻度の多い単元であり、出題の難易度も高い。視覚器や聴覚器の詳細な構造を模式図として描けるかどうか、ニューロンにおける興奮の伝導・伝達のしくみを細胞と分子のレベルから理解しているかどうか、神経から筋肉へ興奮が伝達され、筋収縮にいたるまでの一連の流れを説明できるかどうかといったことは、折に触れてノートにまとめ直すなどして確実に理解しておくようにしよう。最終的には、『生物 重要問題集』などのハイレベルな問題集で、実験考察問題にも対応できるよう練習しておこう。

3.7 植物の環境応答

遺伝と同様、藤田医科大学での出題は圧倒的に少ない。しかし、過去には植物ホルモンの出題があるため、油断することなく、教科書内容の習得ができているかどうかを、『生物 良問問題集』などの問題集で確認しておくようにしよう。植物の環境応答の単元も、細胞と分子レベルでのしくみが問われうる内容を含んでいる。動物と同様に、輸送体タンパク質やシグナル伝達といったしくみがはたらいており、決して他の単元と切り離されてるわけではないことを意識して、学習に取り組むようにしよう。

3.8 植生

藤田医科大学での出題は圧倒的に少ないが、過去には世界のバイオームおよび日本のバイオーム、暖かさの指数といった出題も見られる。動物関連の単元と比べるとやや難易度は下がるため、『生物 良問問題集』などの問題集で確認しておくようにしよう。

3.9 生物の多様性と生態系および生命の起源と進化

遺伝・植物の環境応答と同様、藤田医科大学での出題は少ない。しかし、過去には生存曲線や五界説を題材とした出題があるため、油断することなく、教科書内容の習得ができているかどうかを『生物 良問問題集』などの問題集で確認するようにしよう。インプットの際は、闇雲に用語を暗記するのではなく、物質循環の一連の流れ、進化のしくみ、先カンブリア時代から第四紀まで脈々と続くストーリーなどを理解してから、個々の細かい知識をストーリーに紐付けるよう意識してほしい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認

まずは次のいずれかの参考書や問題集を使って、基本用語の定着と基礎的な問題の反復演習に的を絞ってみよう。藤田医科大学に限った話ではないが、まずは全分野の網羅的な学習を徹底し、教科書中の太字語句程度のものであれば、定義をすぐに答えられるようにしておくこと。2.4で述べたように、藤田医科大学では高校生物を逸脱した内容を、リード文からヒントを読み取って考えさせる問題が出題されている。合格・不合格の分水嶺であり、ここで得点をさらうためには、リード文をヒントとして解釈できるだけの用語の知識が不可欠である。難しい問題であればこそ、焦らずに基礎の定着に励むようにしよう。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎(数研出版)』
・『大森徹の最強講義(文英堂)』
・『大学入試の得点源(要点) (文英堂)』
・『生物 知識の焦点(Z会)』
・『理解しやすい生物、生物基礎(文英堂)』
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに(東進ブックス)』
・『生物基礎が面白いほどわかる本 (中経出版)』

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも、参考書や教科書を使って生物現象や用語の習得に努める。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。問題集を解き始めても、いきなり「章末総合問題」や「発展問題」と名のつくページの問題に取り掛かるのではなく、「例題」や「基礎問題」といったページの問題を反復練習するようにしよう。計算問題についても、Step1で登場した計算問題を確実に正解できるようにしておくことが肝要である。

問題集
・『らくらくマスター 生物基礎・生物』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『生物 良問問題集』(旺文社)
・『生物 基礎問題精講』(旺文社)

■Step.2 実験、考察問題への取り組み

教科書をよく読んで内容を頭に入れたところで、急に実験考察問題ができるようにはならない。勉強の仕方としては、難しい考察問題を闇雲に解くのではなく、次に挙げるような問題集に掲載された標準的な問題に数多く取り組み、丁寧に答え合わせをし、復習としてその問題で扱われた実験の方法・結果・考察をその都度確認するようにしよう。教科書に掲載されている実験は数が限られている。『生物 標準問題精講』や『生物 重要問題集』などの問題集を参考書のように使い、まずは自分なりの答案を作ってみた上で、そもそも生物にはどのような実験があるか、その方法はどのようなもので、どのような結果が得られ、どのような考察が導けるかといったところまで解答解説から読み取るようにする。

問題集
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『実戦 生物 重要問題集 ―生物基礎・生物―(数研出版)』
・『生物[生物基礎・生物]標準問題精講(旺文社)』

■Step.3 計算問題への取り組み

藤田医科大学の生物は論述問題の出題も見られるため、Step2の問題集を使ってできるだけ多くの論述問題に挑戦しよう。問題演習を通じて、その単元の基本的な用語の定義が分かっていないと感じたならばすぐに教科書に戻ってインプットをしなおし、正確な日本語でノートにまとめ直すよう努めてほしい。また、自分の答案を見直し、主述関係がおかしくなっていないか、口語表現になっていないかを確認するクセをつけておこう。積極的に、先生に添削を依頼するのもよい。
なお、生物の論述問題では用語の使い方次第でまったく意味が通らなくなることがある。例えば、答案をつくる際に、遺伝子、DNA、ゲノムの3つの用語を適切に使い分けることができているだろうか。論述の答案の材料は教科書にある。教科書をよく読み、正しい用語の使い方を身につけることで、初めて正しい答案が書けるようになる。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習

Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問はできれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step.1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出なのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解く際は、全問を解くのにかかった時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。過去問に取り組んでから、Step1のような網羅的な学習をやり直す時間はない。過去問の演習にもし時間がかかってしまうようであれば、時間をかけてしまった単元はどこであるかを自己分析し、弱点を狙い撃ちすることで、本番の点数を効率よく伸ばす工夫をしよう。

(参考)
藤田医科大学|ニュース一覧|2018年10月10日 藤田医科大学に名称変更いたしました
藤田医科大学|受験生サイト|入試制度(医学部)|2019年度 医学部 学生募集要項