目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 2016年度入試から出題形式・難易度が変化。年々難易度上昇傾向にあり。
    2. 近年の単元別出題内容
    3. 物理的背景をもつ問題に注意!
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 基本事項の完全マスター
    2. 入試標準問題集の定型解法をマスター
    3. 上級入試問題の演習
    4. 過去問を使って対策の仕上げ

1. はじめに

藤田医科大学は、愛知県豊明市にある私立大学で、同県内の愛知医科大学とほぼ同じくらいのレベルと考えて良いでしょう。しかし、数学の問題には、大きな違いがあります。藤田医科大学は前期日程、後期日程(*推薦入試は2018年度で終了。2019年度からはふじた未来入試(AO入試)を実施)とも、例年、数学の出題形式・内容にほぼ変動はなく、統一的な出題となっています。大問は概ね3問構成で、第1問の小問集合では数学ⅠAⅡBⅢ分野から幅広く出題されるため、知識事項のヌケモレが命取りになります。他方、第2問あるいは第3問は論述式で、『大学への数学』でいうところのC〜Dレベルの問題も出題されることがあり、難易度は年度や日程によって様々に変動しますが、概ね難易度が上昇傾向にあるといって間違いではありません。

本記事では、藤田医科大学医学部医学科の数学の一般入試(前期日程・後期日程)の難易度や出題内容分析についてご説明します。

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2. 概要

2.1 試験日
一般入試前期日程
1次試験:2019年1月29日(火)
2次試験:2019年2月7日(木)/2月8日(金)※いずれか希望する日

一般入試後期日程
1次試験:2019年3月3日(日)
2次試験:2019年3月14日(火)

2.2 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
※一般入試前期日程・後期日程共通
(試験科目・試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・面接

(試験時間)
1次試験
・英語(90分)
・数学(100分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・面接

(解答形式)数学
記述・論述式

2.3 配点
1次試験
・英語(200点)
・数学(200点)
・理科(200点)

2次試験
・面接(提出書類と合わせて100点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
藤田医科大学の数学は、試験時間100分で大問3題の出題となっています。2019年度も、直近の傾向通り試験時間100分となっているので、同様の傾向であることが予想されます。年々難易度は上がっており、問題の難易度だけでいえば(合格最低点を考慮しなければ)、上位国公立大学レベルといっても過言ではありません。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 2016年度入試から出題形式・難易度が変化。年々難易度上昇傾向にあり。
藤田医科大学の数学は、2015年度までは大問が4~5題の構成で、難易度は教科書章末レベル~入試標準レベルでした。2016年度入試から出題形式が変更され、試験時間80分で大問3題となりました。2017年度以降は、試験時間100分で大問3題の出題となっています。以前は、物理的な背景をもつ問題が出題されていました。微分積分を用いる点で高校物理の範囲を超えた問題が出題されるため、生物選択者に限らず物理選択者もその場での対応力を求められる問題といえます。
次に記す通り、大問によって出題形式と難易度が異なります。

■大問1
・出題形式:結果のみを記述する小問集合
・難易度:教科書章末レベル~入試標準レベル
2016年度入試では小問8題で、集合、データの分析、指数対数、複素数平面、極方程式、極限、微分積分から幅広く出題されました。
いずれも教科書や標準的な入試問題集に見られるような、典型的な問題です。大問2以降では難易度の高い問題が出題されるため、小問集合では確実に得点を稼がなくてはなりません。今後もこの出題傾向が続くことが予想されるので知識事項のヌケモレのないように、苦手単元を作らないようにしましょう。

■大問2~3
・出題形式:計算過程を含めた記述式
・難易度:中位国公立大学レベル~上位国公立大学レベル
ここでは国公立大入試に見られるような、やや難易度の高い問題が出題されました。
大問2は確率(一部に確率分布の期待値を含む)、大問3では体積の計算問題でした。いずれも思考力・計算力を試す問題で、標準レベルの入試問題集を解いた程度では刃が立ちません。上級入試問題集や過去問を解いてしっかりと演習し対策をしなければなりません。

3.2 近年の単元別出題内容
本学では次の単元の問題が頻出です。
2次方程式、図形、確率、整数、三角関数、指数対数、数列、極限、微分積分
2016年度から問題のレベルが難化したため、これらの単元の上位国公立大学レベルの典型問題を解けるように対策しておくべきでしょう。
また新課程でデータの分析、複素数平面も出題されています。これらの単元は他大学では比較的出題頻度が低いため、対策が手薄になりがちです。十分に注意しましょう。

3.3 物理的背景をもつ問題に注意!
本学の数学では、物理現象に関する特徴的な問題が出題されます。
出題内容は、微分積分を用いる点で高校物理の範囲を超えたものであり、物理選択者にとってもほぼ初見の問題です。
題材自体が物理選択者にとって有利な側面があるのは事実ですが、生物選択者でも誘導に乗ればその場で対応できるように配慮されているようです。

最近の出題例には次のようなものがあります。
・2014年度:実在気体の状態方程式と陰関数微分
・2013年度:デカルトとガリレオの落体の運動解析
・2012年度:振り子の運動方程式と力学的エネルギー保存則

このような特殊な問題は、他大学の数学ではあまり見られないものです。
本学の過去問演習を必ず行い、念入りに対策しましょう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

藤田医科大学の数学を攻略するための学習方法を解説します。
次のStep.1~Step.4を参考に、学習計画を立ててみましょう。

■Step.1 基本事項の完全マスター
目標:教科書レベルの基本固め

まずは教科書レベルの内容を振り返りです。
はじめのうちは教科書や参考書を参照しながらで構いません。教科書傍用問題集(4stepやサクシードなど)や市販の基本問題集を解いてみましょう。
ただ眺めているだけでは意味がありません。実際に手を動かして、基本事項をしっかりと理解できているか確かめましょう!「こんな公式あったかな?」、「そういえば昔、こんなこと勉強したな…」なんて言っているうちは、まだまだです。忘れていた公式はよく復習し、しっかりと頭に入れていきましょう!

数学が苦手な受験生には、次のような参考書がおすすめです。
文字だけでなく図解を取り入れた懇切丁寧な解説が載っています。
『高校これでわかる数学I+A』(文英堂)

■Step.2 入試標準問題集で定型解法をマスター
目標:数学IA、IIB、IIIの各単元の入試標準問題の定型解法の習得

教科書の内容をしっかりと習得できたら、次のStepに進みましょう。
この段階では、入試標準問題の中で基本事項をどのように使うかということと、入試頻出の典型問題の解法パターンを学んでいきます。

おすすめは、次に挙げるような学習参考書です。
『青チャート』や『フォーカスゴールド』は1冊あたりの収録例題数が200を超え、様々な出題パターンを網羅して学ぶことができます。

しかし「部活動が忙しくてそんなに問題量をこなせない…」、「入試本番まであまり時間がない…」という受験生は、1冊あたりの例題数が150程度とコンパクトにまとまった『標準問題精講』のシリーズを使ってもよいでしょう。

はじめのうちは初見の問題が多いため、解法の糸口が掴めない問題があるかも知れません。
もし5分考えても手が出ない場合は、すぐに模範解答を見てしまって構いません。
あくまでも定型解法を身につけることが目的なので、自分で考えることにあまり固執し過ぎないように注意しましょう!
Step.1と同様に、各分野の例題を何も見ずに解けるようになるまで繰り返し復習しましょう。
ここまでクリアできたら、次のStep.3に進みます。

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A/Ⅱ+B/Ⅲ (通称:青チャート)』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅱ・B 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅲ 標準問題精講』(旺文社)

*入試標準問題に対応する力がついたら、計算トレーニングを行うとより良いでしょう。
次のような計算練習用の問題集がおすすめです。
単に計算スピード・精度を上げるだけでなく、教科書には載っていない計算の裏技を身につけることも出来ます!

『カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集]』(駿台文庫)

『数学の計算革命』(駿台文庫)

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

■Step.3 上級入試問題の演習
目標:上位国公立大学レベルの問題に対応できるだけの力をつける

ここでは本学の大問2~3に出題されるような、難易度の高い問題の対策演習を行います。
次に挙げるような問題集ならば、分野ごとに難関国公立大学レベルの入試典型問題を演習することができます。

演習の際には入試本番を想定して制限時間を設けましょう。
入試本番では大問1問に掛けられる時間は25分~30分ですから、これを目安に解いてください。

各単元の問題を何も見ずに解けるようになったら、いよいよ最後の仕上げ(Step.4)に入りましょう!

『大学への数学 1対1対応の演習』(数研出版)

『医学部攻略の数学 ⅠAⅡB/Ⅲ』(河合出版)

『数学Ⅰ・A/Ⅱ・B/Ⅲ 上級問題精講』(旺文社)

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

『やさしい理系数学』(河合出版)

■Step.4 過去問を使って対策の仕上げ
目標:藤田医科大学の特殊な問題の対策

いよいよ本番を想定した演習です。
本学の数学では、物理現象に関する特徴的な問題が出題されます。少なくとも過去に出題された問題はチェックしておきましょう。

また、制限時間内に記述答案を作成する練習も大切です。
本番と同様に時間を計って、1年分解いてみましょう。
一通り解き終えたら、自己採点しましょう。正答率はもちろん重要です。しかし、解けなかった問題について何が原因だったかを解明し、対策を講じることを忘れてはいけません。
その原因が次の項目のいずれかに当てはまる場合は、対応する各Stepに戻って復習を行ってください。

・公式を忘れてしまっていたor覚え違いがあった(→Step.1に戻って復習)
・定型の解法パターンを忘れていた(→Step.2,3に戻って復習)
・解けるはずの問題を計算ミスで落としてしまった(→過去問を復習)

『藤田医科大学(医学部)』(教学社)

(参考)
藤田医科大学|受験生サイト|入試制度(医学部)|2019年度 医学部 学生募集要項
平成29年度学生募集要項|医学部アドミッションポリシー