「高校に進学した途端に学習内容が一気に増えたため、正直戸惑っている」
「学校の勉強以外にも、部活動や習い事などもこなさなければならない。できることなら効率良く勉強して成績を上げたい」
「今まさに受験勉強をしているが、受験科目が多いため、何から手をつけていいのかわからない」
このような悩みを抱えている学生の方は多いのではないでしょうか?

そこで今回は、時間制限があることで作業効率アップが期待できるタイムアタック勉強法」についてお話ししたいと思います。

タイムアタック勉強法とは?

タイムアタック勉強法」とは、勉強時間にあらかじめ制限を設けることによって、集中力が増して効率良く学習できる勉強法で、脳科学者の茂木健一郎氏もおすすめしている方法です。

茂木氏によると「時間制限があって辛かったけどやりきった場合、脳内ではドーパミンというやる気のもととなるホルモンが放出される。それと同時にヒトは快感を得られるが、このことが脳へのとても良い刺激になる」ということです。つまり、タイムプレッシャーを設けて、それを達成することが繰り返されれば、やる気につながるのです。これは、単調になりがちな学習にとても有効な方法ですね。

さらに、この勉強法のヒントとなるのが「ポモドーロ・テクニック」です。1990年代初めにイタリアの起業家・作家のフランシスコ・シリロにより発案された「ポモドーロ・テクニック」は、25分間集中して作業をしたあと5分間の休憩をとり、これを繰り返して効率よく時間を使う方法です。

このように時間を短く区切ることで、気分が乗りにくい課題でも集中して取り組みやすくなります。また、こなしたポモドーロの数が増えるにつれて、達成感を得ることができるでしょう。

苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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時間を制限することのメリットとは

東京大学薬学部の池谷裕二教授が行ったある実験をご紹介します。

まず中学1年生を、1時間を通して学習する「60分学習」のグループと、45分を休憩を挟んで3回に分けて学習する「15分×3(計45分)学習」のグループとにランダムに振り分けて、全員に中2・中3レベルの英単語を覚えてもらいました。そして翌日、2つのグループの学習結果を比較したところ、上昇スコアは「15分×3(計45分)学習」グループが「60分学習」グループを上回っていたのです。さらに1週間後のテストでも、「15分×3(計45分)学習」グループの方が好結果を残しました。

(引用元:朝日新聞DIGITAL|勉強時間は短い方が好成績?

この実験結果から、学習の合間の休憩やリフレッシュが、学んだことを定着させるのに有効であるということがわかります。つまり、長時間学習よりも“短時間集中型勉強法”の方が、学習成果を長期的に身につけるという点では、効果を発揮すると言えるでしょう。

短時間集中型の学習は成績アップにつながりやすい!?

このような短時間サイクルで学習するという方法ですが、脳科学的に見ても効率が良いということはご存知ですか?

短時間に頻繁に学習して記憶することにより、高い頻度で脳に刺激が与えられます。すると、海馬(脳内の記憶にかかわる場所)における情報の伝達効率が上がり、より長期にわたる記憶の形成が行われやすくなるというわけです。これは、学習内容のインプットには最適だといえるでしょう。

それに加えて、Studyhackerでも度々取り上げている「ぬり絵勉強法」を参考にし、15分あるいは20分と自分で設定した制限時間をこなした数だけ色を塗って記録していくことのもおすすめです。更なるモチベーションの向上が望めるでしょう。

どうやって設定すればいいの?

では、実際にどれくらいの時間を設定するのがベストなのでしょうか?

個人差があるため一概には言えませんが、まずは先ほどご紹介した例のひとつである「15分」から始めてみるといいでしょう。もし「ちょっと短すぎるな」と感じたら、5分増やしてみるなど調節をして、各々が心地よいと思えるスパンを設定してください。ただし、自分に厳しい設定はかえって逆効果です。余裕をもった設定を心がけましょう。

そして、ここで忘れてはならないのが休憩時間の設定です。5分以下でよいので、必ず小休憩を挟むようにしてくださいね。たとえば中学校や高校では、たいてい授業時間は50分でその後に10分間の休憩がある、といったサイクルを繰り返しているはずです。これを普段の勉強にも取り入れるといったイメージですね。

さっそく始めてみよう!

以上のことをふまえて、集中力を強化するためにやるべきことは次の3つです。

1.タスクをリスト化する
学習内容に優先順位をつけましょう。現状を分析し、どの科目のどの箇所を優先的に勉強する必要があるのかを見極めて、可視化しておく必要があります。好きな科目だけ勉強して、苦手な科目を放置することはしないように気をつけてください。

2.やらないことを決める
勉強時間中には他のことを一切しないように心がけましょう。たとえば、スマートフォンを見る、テレビを観るなど、集中力が削がれる要素をとことん排除します。それらの娯楽要素は休憩時間にたっぷり楽しめば良いのですから。

3.休憩時間はしっかり休む
先ほどの話につながりますが、休憩時間にするべきことを決めておくことで、その時間を楽しみに勉強への集中力が増していきます。たとえ勉強に勢いがついてやめられなくなったとしても、きちんと休みを挟んでその後にまた学習を進めるようにしてみましょう。

そのためにも、タイマーを使用してきちんと時間管理することをおすすめします。とはいえ、自習室や図書館などの静かな場所で勉強する際、アラーム音のうるさいタイマーは使用できませんよね。最近では1,000円以下のお手頃価格でフラッシュタイマー(光るだけのタイマー)が売っています。スマートフォンのタイマー機能を使用すると、ついSNSを見てしまうかも……と心配してしまう方も、このフラッシュタイマーを使ってみるといいですよ。

私も受験時にはタイマーを使った勉強法を取り入れていました。ご褒美を先に設定しておくことで、より集中して頑張れていたことを今でも覚えています。

そうは言っても、入学試験では80分、あるいは長くて210分の試験も受けなければなりません。15分しか集中力を保てないようではマズいのでは……と不安を感じる人もいるでしょう。でもご安心ください。この短時間集中法で培った集中力は、大きな試験などでも効果を発揮します。210分間フルに集中する必要などありませんからね。

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この記事を読んでピンときた方、さあ今すぐタイマーを用意するところから始めましょう! 短時間に集中できるという能力は、大人になってからも絶対に役に立つはずです。学生である今のうちにぜひ身につけておきましょう。

(参考)
STUDY HACKER|茂木健一郎氏もおすすめ! タイムアタック勉強法
STUDY HACKER|ポモドーロ・テクニック はやり言葉辞典
STUDY HACKER|“短時間サイクル” で効率的な学習を。医学生がおすすめする「短時間集中型勉強法」
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