1. CEFRとは
CEFR(セファール)とは、「Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の略称です。ヨーロッパ言語圏で広く使われている、語学レベルの指標を示す国際標準規格になります。
日本でもCEFRは近年、広く浸透しつつあります。例えば、2012年にNHKの英語講座がCEFRを基準として設定されたり、英検も2016年度の試験からCEFRのスコアが成績表に表記されたりするようになりました。
2. 各試験との対照表
どの試験の何級、または何点が、CEFRの各レベルに相当するのでしょうか? 目安をご紹介します。ただし、各試験で求められるスキルはそれぞれ異なります。あくまで、おおまかな基準として考えてください。
作成:STUDY HACKER編集部
(参考:GTEC と CEFR レベル関連付け調査)
(参考:TOEFL: For Academic Institutions: Compare Scores)
(参考:資格・検定試験CEFRとの対照表|資格・検定試験 関連情報【英語4技能試験情報サイト】)
3. CEFRの6つのレベル
CEFRは全部で6段階に分かれています。C2、C1、B2、B1、A2、A1まであり、最も高いレベルがC2で、最も低いレベルがA1となります。レベルの高いものから低いものへ、求められるスキルを順にご紹介します。
▪️C2
どんな話題でも内容を容易に理解し、非常に複雑な状況でも細かい表現の違いを的確に使い分けることができる。
▪️C1
高度な話題の内容を理解し、複雑な話題について明確でしっかりとした表現ができる。
▪️B2
抽象的で複雑な話題の要点を理解し、幅広い話題について自然なやりとりができる。
▪️B1
身近な話題の要点を理解し、興味関心のある話題であれば、短いながらも自分の意見や理由などを述べることができる。
▪️A2
身近な内容に関する簡単な表現を理解し、日常生活での簡単なやりとりをすることができる。
▪️A1
日常生活でよく使われる非常に基礎的な表現を理解し、使うことができる。
(参考:“グローバル人材”ってどんな人? 動画で比べる!!スピーキングテスト|公共財団法人 日本英語検定協会)
4. 大学入試で優遇されるレベル
大学入試で優遇されるのは、B1レベルからになります。難関大学ではB2レベルが必要です。
(参考:英語外部検定利用入試(2017一般入試)|旺文社教育情報センター)
5. CSEスコアとは
英検のCEFRに対応したスコアをCSEスコアと言います。2005~2015年度のCSEスコアは成績表に記載されていませんが、当時の英検のスコアが分かれば、該当するCSEスコアを英検協会に問い合わせることができます。
(参考:2017年度 NHK英語講座レベル一覧|英語力測定テスト2017|NHK出版)
一部の大学入試では、英検のCSEスコアによって、入学試験に得点がプラスされたり、英語試験が免除になったりすることがあります。この傾向は2020年の大学入試4技能化に向けて加速しています。
6. まとめ
2020年の英語試験4技能化に向けて、新たな動きが見られるようになりました。今後は、英文法の4択や下線部和訳よりも、自分の意見を書いたり話したりする能動的な学習が重視されることでしょう。
このような英語4技能試験に対応できるのが、CEFRです。欧米圏の英語試験ではすでに、TOEFL iBT、IELTS、ケンブリッジ英検などの4技能の試験が当たり前になっています。日本でもこれから非常に重要な要素を占めるようになるでしょう。